実証実験

自治体による災害情報提供の現状

災害時には、自治体から市民に対して防災無線、メール、テレビ、ラジオなど様々な方法で災害情報が提供されています。また、自治体が設置する危機管理型水位計の水位情報や、防災カメラ映像なども公開され、市民が受け取ることができる防災情報は充実しています。

自治体の課題認識

福知山市では市民に向けた災害情報は充実しているものの、課題認識を持たれています。
市から避難情報が届いていたにも関わらず、なぜかほとんどの市民は避難しないという問題がありました。

アンケート結果

・平成30年7月豪雨に関するアンケート結果では、96%の市民に避難情報が届いていた。
・平成30年7月豪雨災害では、市民の避難が943人(全体の約1.2%)に止まった。

想定される理由

・災害時、情報があり過ぎて何を基準として動いていいのか分からない。
・広い地域の情報であるため自分にどのような影響があるのか分からない。
以上の理由により、市民が危機を 「我が事」として捉えられず 「避難行動につながらない」のではないか。

KAMEKER3による課題解決策

亀岡電子が福知山市内で市民の方を対象にヒアリングを実施したなかで、「行政から提供される災害情報は、情報の範囲が広すぎて自分事にならない。もっと身近な場所の浸水情報を直接知らせてくれれば避難行動に直結する。」という意見を聞きました。そのような声を聞いて開発したのがKAMEKER3です。

KAMEKER3のコンセプトは、地域の住民が避難の基準にしている地点にピンポイントでセンサを設置して、その地点が浸水するとLINEでプッシュ通知することで、住民の避難スイッチを入れるというものです。
このようなKAMEKER3のコンセプトが福知山市が考える課題認識とマッチングしたことにより実証実験にご協力いただけることになりました。

KAMEKER3設置による実証実験

洪水時に早期に冠水するエリアを中心に、合計18基設置して実証実験を行いました。

❶防災用調整池の洪水バケ下30㎝の地点(余水バケの樋門の柱に設置)
❷洪水時早期に冠水するエリアの道路横(地面に金属のポールを打ち込んで設置)
❸農業用ため池の洪水バケ下30㎝の地点(地面に金属のポールを打ち込んで設置)
❹農業用ため池の洪水バケ下30㎝の地点(地面に金属のポールを打ち込んで設置)
❺浸水被害が多発する福知山市大江町蓼原地区の由良川堤防と道路の間に位置する管底上に設置